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与能本 泰介; 大久保 努; 岩村 公道; 石田 紀久
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2003/04
安全注入機能と不凝縮ガス格納機能を有する圧力抑制系の革新的概念を将来型軽水炉に適用するため構築した。本システムは、(1)現行軽水炉の場合と同等な低い圧力レベルでの格納容器圧力の維持,(2)炉容器冷却又は破断口水没のための格納容器への水注入,(3)ドライウェル内不凝縮ガスの格納、を行なうことにより、冷却材喪失事故の影響を緩和する特徴がある。ガス格納機能により、不凝縮ガスによる熱交換器の伝熱劣化が生じ無いため、本システムは、一体型炉における蒸気発生器二次側冷却系や格納容器静的冷却系のような熱交換器を使用する受動的冷却系との組み合わせ使用に適している。開発した概念の有用性はRELAP5/MOD3コードを用いて確認している。
中村 秀夫; 片山 二郎; 久木田 豊
Power Plant Transients,1992; FED-Vol. 140, p.9 - 16, 1993/00
これまで、PWRのミッドループ運転(原子炉停止時に、炉心崩壊熱を余熱除去系を用いて除去しつつ、一次系水位を水平配管付近まで下げて各種作業を行う)時に、余熱除去系が何らかの原因で停止し、炉心冷却材が沸騰する等、いくつかの事象例が報告されている。なお、ミッドループ運転時には、一次系は大気圧で室温に近く、気相部は非凝縮性ガス(空気又は窒素)で満たされている為、事象では、非凝縮性ガスが関与した複雑な熱水力挙動が発生する。ここでは、LSTF装置を用い、1次系に開口部が無い条件で実施した模擬実験の結果をまとめた。実験では、余熱除去系停止後、炉心沸騰、蒸気発生器(SG)での蒸気凝縮が生じたが、それに伴い、1次系気相部内の非凝縮性ガス(空気)がSG伝熱管内に蓄積されることが観察された。更に、簡単なモデルを用いた1次系の圧力予測を行い、1次側圧力を低く保つために、SGの2次側冷却材が重要な働きをすることを示した。
中村 秀夫; 片山 二郎; 久木田 豊
Proc. of the 5th Int. Topical Meeting on Reactor Thermal Hydraulics: NURETH-5,Vol. 5, p.1333 - 1340, 1992/00
PWRのミッドループ運転時における余熱除去系機能喪失事象のLSTF装置による模擬実験を、RELAP5/MOD3コードを用いて解析した。解析は、コールドレグ5%破断相当の開口部を仮定した実験について行った。解析では、1次系圧力等の主要な実験結果が、ループシール水の排出の時点まで良く予測された。また、余熱除去系停止後の炉心冷却材の温度上昇等、多次元的な流動の関与したいくつかの現象についても、並行流路に分割する等の2次元的流動を考慮した計算を実施した結果、定性的に模擬することができた。更に、解析により、炉心及び上部プレナムとダウンカマの間での蒸気凝縮を伴う熱移動の模擬が、1次系圧力の予測に不可欠であることが明らかとなった。ただし、コードは炉心ボイド率を過大評価した為、炉心部水位が常に上部プレナム内に保たれ、実験で観察された炉心露出を模擬できなかった。
久木田 豊; 生田目 健; 竹下 功; 斯波 正誼
Nuclear Technology, 63, p.337 - 346, 1983/00
被引用回数:12 パーセンタイル:77.07(Nuclear Science & Technology)格納容器圧力抑制系信頼性実証試験の試験結果にもとづき、圧力抑制プール内の蒸気凝縮に起因する格納容器動荷重に対する蒸気中の非凝縮性気体(空気)の影響を調べた。空気の存在により、従来知られていたように凝縮が安定化しチャギング現象の発生が抑制される効果が生じるだけでなく、ベント管内蒸気流速が比較的高い条件下ではこれも正反対の効果が生じうること、ならびにこれらの効果が、蒸気凝縮荷重の大きさに重大な影響を及ぼすことを明らかにした。